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インベスターズトラスト(ITA)を徹底解剖! 元本確保って本当なのか?

インベスターズトラスト(ITA、investors-trust)を徹底解剖! 元本確保って本当なのか?
インベスターズトラスト(ITA、investors trust)は、日本人にも人気のあるオフショア投資の一つです。

低金利時代にも関わらず高い利回りで運用でき、中には元本確保型の商品も扱っています。

しかし公式サイトだけではその実態を把握することは難しいです。

そこで本記事では、実際にインベスターズトラストに投資している筆者が、会社概要はもちろん、高い利回りを実現できる商品の仕組みまで徹底的に解説していきたいと思います。

すでにインベスターズトラストの紹介受けている方、興味はあるが怪しいと感じており投資を躊躇している方、必見です!

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)の会社概要

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)の会社概要

まずはインベスターズトラスト(ITA、investors trust)の会社概要をまとめた簡単な一覧表がありますので、以下をご覧ください。

項目 内容
会社正式名称 Investors Trust Assurance SPC
設立年度 2002年
預かり資産 1,800億円
顧客数 6万人以上(日本人2万人)
事業展開 100カ国以上
本拠 ケイマン諸島
その他拠点 アメリカ
ウルグアイ
香港
マレーシア
プエルトリコ
ドバイ
格付け A.M.Best社よりA-
金融ライセンス ケイマン諸島金融管理局より許可
主力商品 S&P500インデックス
エボリューション

インベスターズトラストは2002年にカリブ海に浮かぶケイマン諸島に設立された金融機関です。

近年、急速にグローバル展開を進めており、2002年にケイマン諸島で保険会社を設立し、同年コーポレートオフィスをアメリカのマイアミに設立しています。

その後、2008年にウルグアイと香港にサービス拠点を、2012年にマレーシアクアラルンプールにてラブアン金融機関の認可を取得、2015年にドバイ金融庁の認可を取得、2019年にプエルトリコ認可の保険会社を立ち上げています。

設立から20年弱で世界100カ国以上に事業展開し、顧客数は6万人を突破しました。

またインベスターズトラストは、SPC(Segregated Portfolio Company)として、顧客の資産と会社の資産を分離管理しています。

つまり、もしインベスターズトラストが破綻したとしても、顧客の資産は守られ時価で返還されるということです。

ちなみに顧客の資産は、2021年現在アメリカの投資銀行バンク・オブ・アメリカで管理されています。

さらにインベスターズトラストは、金融機関としてケイマン諸島の金融管理局より認可を得ています。つまり合法的に営業をしているということですね。

ここで皆さんにとって馴染みの薄い、インベスターズトラストが本拠を置くケイマン諸島について触れておきます。

本拠を置くケイマン諸島とは?

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)が本拠を置くケイマン諸島とは?
ケイマン諸島はカリブ海に浮かぶイギリスの領土で、リゾート地として人気がある一方、金融機関や会計事務所などが本拠を置くなどビジネスも盛んな島です。

日本人の私たちにとっては馴染みが薄い島ですが、金融に携わっている方や、投資信託の目論見書などをご覧になられたことがある方ならご存知かもしれません。

そしてこのケイマン諸島が一躍有名になったのが、2016年に公開された「パナマ文書」です。

パナマ文書とは、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した膨大な内部文書で、世界各国の富裕層が租税回避地を利用して、資産を隠している可能性を示したデータです。

この文書には、世界各国の首脳や日本の大手企業の経営者などの名前も載っており、大きな話題を呼びました。

実はケイマン諸島も、租税回避地(タックスヘイブン)としての側面があります。

ではケイマン諸島などの租税回避地に本拠を置くことに対し、違法性があるかというと決してそのようなことはありません。

むしろ納める税金を抑えて、顧客に最大限の利益を還元するという点においては合理的な判断だといえます。

ただしパナマ文書や、そもそも馴染みのない島であることから「怪しい」と感じてしまう方もいるのでしょう。

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)の格付けを行うA.M.Best社とは?

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)の格付けを行うA.M.Best社とは?

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)に対し、アメリカの保険会社専門の格付け会社であるA.M.Best社はA-の格付けとを得ています。

A.M.Best社は1899年にアメリカに設立された保険専門の格付け会社で、100年以上にわたりこの地位を保ち続けています。

ここでA.M.Best社が行う格付けについて触れておきます。

A.M.Best社の格付けの仕組み

A.M.Best社では最高信用度AAA+から、最低信用度C-まで27段階で格付けを行っています。

インベスターズトラストの格付けはA-ですので、上から9番目の格付けを得ていることになりますね。

では日本の保険会社とインベスターズトラストを比較してみましょう。

  • 東京海上日動:A++
  • 三井住友海上:A+
  • 第一生命:A+
  • 明治安田生命:A-

日本の保険会社でいえば、明治安田生命と同程度の信用度ということになります。

この点を踏まえれば、インベスターズトラストが世界的にも信用度はあるといってもいいでしょう。

主力はこの2商品

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)の主力商品の2つ

ではここからインベスターズトラスト(ITA、investors trust)が扱う商品について見ていきましょう。

そもそもですが、「インベスターズトラストに投資します」といっても、様々な商品があるため、これらの違いを明確に理解しておく必要があります。

各商品は投資対象が異なること以外にも、手数料やボーナスなど諸条件も違うため、契約前によくチェックしておくといいでしょう。

今回はインベスターズトラストが扱う7つの商品の中でも、日本人に特に人気のあるS&P500インデックスとエボリューション(Evolution)をご紹介します。

S&P500インデックス

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)S&P500インデックス
まずは日本人に最も人気のあるS&P500インデックスについて解説していきます。

S&P500インデックスの特徴を挙げてみました。

  1. 元本確保型の商品
  2. 10年目以降に付与されるロイヤリティボーナス
  3. 5年年率15%の利回り

S&P500インデックスの最大の特徴は元本確保型の商品であることです。

日本の金融機関で扱う商品では元本確保型はほぼ存在せず、これを目当てにインベスターズトラストに投資する人が多い印象があります。

実際に筆者も元本確保型の商品ということで、S&P500インデックスに投資をしました。

しかしここで注意しなければならないことが、元本確保型とは元本保証ではないことです。

そもそも元本確保とは、契約時に約束した条件で運用した場合に積立金額に対して100%や140%を保証しますよ、という仕組みです。

つまり途中で解約や積立金額の減額をしてしまうと元本確保されなくなってしまいます。

一方で、元本保証とは銀行の普通預金が代表例で、満期を待たずに解約しても元本が保証される商品となります。

また日本では元本確保型の商品が珍しいため「どのようにして元本確保を実現しているのか?」という疑問を持つ人も多いようです。

これについて筆者がインベスターズトラストの社員の方に直接確認したところ、銀行が発行する債券を購入して実現しているとのこと。

ここでいう銀行というのは、世界の銀行の中でもA以上の格付けを出している金融機関に絞っているとのことでした。

このAという格付けは、よほどのことを除いて倒産することのない、極めて信用度の高い金融機関です。

また10年目以降に付与されるロイヤリティボーナスもS&P500インデックスの特徴の一つです。

ロイヤリティボーナスとは、積み立て開始から10年目以降に付与され、積立金額に対し10年目と15年目経過時に7.5%、20年目経過時に5%が付与されます。

たとえば月5万円を積み立てた場合、年間で60万円積み立てることになりますので、10年目で600万円となります。

この600万円に対して7.5%である45万円が10年目終了時に付与されます。

加えてアメリカの株価指数であるS&P500に連動したファンドで運用するため、年10~15%程度の利回りが期待できる商品です。

続いてS&P500インデックスと並んで、インベスターズトラストの代表商品であるエボリューション(Evolution)について紹介します。

エボリューション(Evolution)

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)エボリューション(Evolution)

エボリューション(Evolution)はS&P500インデックスと並び、日本人に人気の商品の一つです。

まずはエボリューション(Evolution)の特徴を挙げてみます。

  1. 100種類以上のファンドから運用可
  2. 年間1200ドル(月1万円前後)から積み立て可
  3. 追加配分がある

エボリューション(Evolution)はインベスターズトラストが扱う100種類以上のファンドの中から選択し運用する商品です。

ファンド選びが難しい場合は、担当のIFAまたは代理店に任せることも可能です。しかし筆者としてはこのようなやり方はおすすめしません。

なぜならば、ファンド選びをIFAまたは代理店に任せると運用委託手数料が発生するためです。

またインベスターズトラストが厳選したファンドを、3つの運用方針別で選択することも可能です。

この運用方針とは安定運用型、バランス運用型、積極運用型の3つの中から選ぶだけ。筆者もエボリューション(Evolution)に投資をしていますが、運用期間も比較的長いことから積極運用型を選択しています。

そしてエボリューション(Evolution)の特徴ともいえることが、年間1200ドル(1米ドル=100円で12万円)から積み立て可能で、ロイヤリティボーナスに加えて追加配分があることです。

先ほどのS&P500インデックスの最低積立金額が、年間2400ドルでしたので約半分の金額で積み立てできる点は少し敷居が下がりますよね。

ここでS&P500インデックスにはなかった追加配分について解説します。

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)エボリューション(Evolution)の追加配分

引用:インベスターズトラスト公式サイト

追加配分とは年間の積立金額に応じて、ファンド運用で得た利益とロイヤリティボーナスに加えて付与されるボーナスです。

たとえば年間の積立金額が1800ドル(1米ドル=100円で18万円)だとします。

この時、1年間1800ドルを積み立てると積立金額に対して1%分が追加配分という形で付与されます。

そしてこの追加配分は、積立金額が大きくなるほどその割合も大きくなっていきます。

このように、S&P500インデックスにはあった元本確保ではないですが、積立金額の低さや追加配分がある点を踏まえればメリットは充分にある商品といえるでしょう。

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)のリスクは大きくこの3つ!

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)のリスクについて

それではここからインベスターズトラスト(ITA、investors trust)に投資する上でのリスクを見ていきましょう。

高い利回りや元本確保、ボーナスなどメリットが多い反面、当然ですがリスクもあります。

投資する上で最も避けなければならないことが、リスクについて理解せずに投資をしてしまうことです。

以下でインベスターズトラストのリスクを3つ挙げてみます。

  • 為替リスク
  • 価格変動のリスク
  • 発行元・保証元のリスク

インベスターズトラストの全ての商品は、海外へ投資する商品のため、米ドル建てやユーロ建てなどで積み立てまたは拠出を行います。

そして積み立てを行う際は、その時点の為替レートによって支払う金額は変わる点に注意しましょう。

たとえば20年間ある商品を積み立てた場合、積立時の平均為替レートが1米ドル=100円だとして、解約時に日本円に戻す際の為替レートが1米ドル=90円の場合、10円の為替差損が発生します。

運用益やボーナス等で評価益が膨らんだとしても、この為替差損によって損失を受ける可能性は理解しておく必要があります。

積立時の為替レートをコントロールすることは難しいため、解約して日本円に戻す際は、積立時の平均為替レートは確認しておいた方がいいでしょう。

続いて投資商品である以上、ファンドの価格変動のリスクは常にあると理解しておく必要があります。たとえ現在運用が好調のファンドでも、10年後や20年後も同じような運用ができるとは限りませんからね。

最後に発行元・保証元のリスクですが、これは元本確保型であるS&P500インデックスが該当します。

先ほど触れたとおり、S&P500インデックスで元本確保は、インベスターズトラストが厳選した信用度が極めた高い金融機関の債券を保有することで実現させています。

いくら信用度が高い金融機関といっても、リーマンショックのような100年に一度の金融危機などが発生した場合破綻する可能性もあることを理解しておきましょう。

契約方法と契約後のフォロー体制は?

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)の契約後のフォロー体制は?

最後にインベスターズトラスト(ITA、investors trust)を契約する方法と、契約後のフォロー体制について触れていきたいと思います。

まずインベスターズトラストに投資するためには、イントロデューサー(紹介者)を通じて契約することが一般的です。

実はインベスターズトラストが「怪しい」や「詐欺」といわれてしまう理由が、このイントロデューサーの質に問題があります。

イントロデューサーの中には、自分の利益を優先させ投資家側に損をさせるような契約を勧める方がいるようです。

イントロデューサーもボランティアでやっているわけではなく、契約内容に応じて紹介料が入るため、どうしても自分に有利な契約をさせようと考えてしまうのでしょう。

筆者も投資銀行で一時期営業をしていましたが、インベスターズトラストの紹介料と同じように契約内容に応じてインセンティブが支払われました。

自分に有利な契約をしたくなる気持ちはわかりますが、やはりお客様にとって最適な提案をすることが優秀な金融マンといわれるのではないでしょうか。

ちなみに筆者の勤めていた投資銀行は、世界で事業展開を行う金融機関であることから、コンプライアンス面では特に厳しかったため、お客様からクレームがあればインセンティブは支払われることはありませんでした。

この点、インベスターズトラストはコンプライアンス面ではまだ未熟な点は否めませんね。

しかし全てのイントロデューサーの方が自分の利益だけを考えているわけではありません。

実際に筆者の担当のイントロデューサーの方は、私の意見や希望をとても細かく聞いて最適なプランを提案して頂きました。

確かに筆者が元投資銀行の人間だ、ということもあり慎重に対応してくれたのかもしれませんが、それでもいつも真摯に対応頂き助かっています。

つまりインベスターズトラストに契約する上で大事なポイントが、優秀なイントロデューサーと出会うということです。

またイントロデューサーは契約手続きをするだけではなく、契約後のフォローも大事な仕事です。

特にエボリューション(Evolution)を契約している場合は、定期的なリバランが必要なため、都度イントロデューサーの方のサポートを受けた方がいいでしょう。

筆者はリバランスは自分でやってしまいますが、契約後に与えられるマイページの使い方は少し特殊のため、イントロデューサーの方にフォロー頂いと思います。

なお仮にイントロデューサーの方と連絡取れなくなった場合ですが、インベスターズトラストに直接連絡すれば対応頂けます。

この際、インベスターズトラストになぜイントロデューサーの方と連絡が取れなくなったのかなど聞かれることもありますが、正当な理由があれば対応してもらえますよ。

このあたりのフォロー体制は、他のオフショア投資に比べてしっかりしているといえるでしょう。

なおインベスターズトラストなどのオフショア投資において、詐欺に遭わないための方法を別ページで詳しくまとめています。

インベスターズトラストに投資を検討している方、すでに紹介を受けており紹介者の見極め方を確認したい方はぜひチェックしてみてください。

>>オフショア投資(海外投資)の詐欺手口とは? 3つの事例を基に詐欺に遭わない方法を解説

まとめ

インベスターズトラスト(ITA、investors trust)は日本の金融庁に認可されていないため、どうしても敬遠されてしまう投資案件です。

また手数料が一般的な投資信託に比べて高いことや、イントロデューサーに不利な契約をさせられたなどのマイナス面があることも事実です。

しかしインベスターズトラスト自体はケイマン諸島の金融管理局から認可を受け、保険専門の格付け会社からもA-の格付けも受けており、運営面については問題ないといえるでしょう。

扱う商品も手数料が高いことは否めませんが、その分元本確保やロイヤリティボーナスなどの特典もある点を踏まえれば十分投資価値はあるといえるのではないでしょうか?

ただし投資におけるリスクは常にあることは理解しておきましょう。

なおインベスターズトラストにさらに詳しく知りたい方は、私に気軽にメッセージを送ってください。

サイト内では伝えきれないこともありますので、どんな質問相談でも構いませんので、以下のフォームより連絡してみてください。

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