プレミアトラスト(Premier Trust)というオフショア投資について、知人や友人を通じて紹介された方もいらっしゃるのではないでしょうか?
プレミアトラストはオフショア投資ならではの元本確保型の商品を提供するなど、学資保険代わりにされる方も多いようです。
しかしネット上では様々な口コミが飛び交っており、公式サイトも詳細まで書かれていないため、その真実を追求することが難しいです。
そこで本記事では、プレミアトラストの会社概要やネット上の口コミをまとめ、主力商品や他のオフショア投資との比較をしていきたいと思います。
プレミアトラスト(Premier Trust)とはどんな会社?
まずはプレミアトラスト(Premier Trust)の会社概要について、簡単に一覧表でまとめましたので以下をご覧ください。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | プレミアトラスト(Premier Trust) |
親会社 | Premier Assurance Group |
設立 | 2007年 Premier Assuranceは2005年設立 |
本籍地 | イギリス領ヴァージン諸島 |
事業展開 | 60か国以上 |
信託保全 | あり |
資産管理 | スイスUBS銀行 |
格付け | なし |
商品数 | 7種類 |
引用:公式サイト
プレミアトラストはカリブ海に浮かぶイギリス領ヴァージン諸島で2007年に設立された信託会社です。
オフショア投資の中では比較的歴史が浅い会社となっています。
プレミアトラストの略称は「PA」と呼ばれ、これは親会社がPremier Assurance Groupという社名のためです。
ここでイギリス領ヴァージン諸島がどのような場所か簡単に触れておきます。
引用:Wikipedia
ヴァージン諸島はカリブ海の西インド諸島に浮かぶ約110の島々から構成され、西側半分はアメリカ領、東側半分はイギリス領となっています。
イギリスの領土でありながら、西側のアメリカ領ヴァージン諸島と密接な関係にあり、法定通貨はアメリカドルが使用されています。
イギリス領ヴァージン諸島は観光業がメインの経済ですが、実はタックスヘイブン(租税回避地)としての側面を持ちます。
なお親会社であるPremier Assurance Groupの本籍は、イギリス領ヴァージン諸島ではなくアメリカ合衆国フロリダ州マイアミです。
会社設立から15年弱ですでに60カ国以上に展開しており、近年は急速に事業展開をしていることが伺えます。
そしてプレミアトラストは、信託会社であるため万が一会社が倒産したとしても投資家の資産は100%時価で保全されます。この点は他のオフショア投資と比較して優れた部分といえるでしょう。
ただし100%の信託保全はあくまで時価ですので、その時の為替レートにより日本円での資産価値が変化する点を理解しておきましょう。
このような100%信託保全がある一方で、格付けを得ていないことが懸念点として挙げられるでしょうか。
他のオフショア投資のインベスターズトラストやRL360、サンライフは格付けを得ていることを踏まえるとマイナスポイントといえますね。
それでもイギリスで300年以上の歴史があるロイズ・オブ・ロンドンでカバーホルダー認可を受けています。
カバーホルダーとは保険を請け負うためのライセンスで、これにより世界中の資産運用会社等と連携が可能になります。
商品数は大きく7種類あり、積立型と一括投資型それぞれ用意されおり、特に日本人に人気がある元本確保型の「Provest Principal Protection」です。
以下、元本確保型の「Provest Principal Protection」について詳しく触れていきます。
主力商品は元本確保型の「Provest Principal Protection」
以下でプレミアトラストのProvest Principal Protectionについてまとめてみました。
積立期間 | 15年・20年・25年 |
---|---|
元本確保 | 15年:140% 20年:150% 25年:160% |
ロイヤリティボーナス | 10年目:10% 15年目:8% 20年目:8% 25年目:8% |
最低積立金額 | 年間2,400ドル |
運用通貨 | 米ドル ユーロ 英ポンド 豪ドル |
選択可能ファンド数 | 5種類 |
手数料 | ◆年間管理手数料 10年目まで:年1.9% 11年目以降:0.75% ◆スプレッド手数料:年2% ◆プラン手数料:毎月5ドル |
プレミアトラストのProvest Principal Protectionは積立型の投資商品です。
積立期間は15年、20年、25年の3パターン。最低積立金額は年2,400ドルですので、1米ドル=100円で年間24万円、毎月2万円から積み立てが可能です。
特徴的な部分は元本確保とロイヤリティボーナスを備えていることでしょうか。
この点はインベスターズトラストのS&P500インデックスと同じですね。ただし元本確保とロイヤリティボーナスの割合は異なります。
まず元本確保ですが、Provest Principal Protectionは25年で160%ですが、インベスターズトラストのS&P500インデックスは20年で160%です。
ロイヤリティボーナスは、Provest Principal Protectionはは10年目で10%、インベスターズトラストのS&P500インデックスは10年目で7.5%となっています。
微妙な違いといえばそうですが、これらを総合的に見てみると同じくらいの条件といえるではないでしょうか。
なお元本確保は元本保証ではないことにご注意を。
元本保証とは銀行の普通預金がいい例です。銀行の普通預金はいつお金を引き出そうと手数料などのペナルティは発生しませんよね?
このように元本保証とは、どの運用期間においても元本割れをすることがない商品の仕組みです。
一方で元本確保とは、契約時に設定した期間において、満期まで運用を続けた場合のみ元本を確保してくれる仕組みです。
つまり契約期間の途中で一部解約をしたり、積み立てを止めてしまうことがあると元本を確保してくれなくなります。
プレミアトラストのどの商品も途中で積み立てを止めることは可能ですが、やむを得ない事情がない限り避けた方がいいですね。
またProvest Principal Protectionは、運用対象を5種類のファンドの中から自分で選ぶことになるため、投資初心者にとってはどれに投資すべきかというハードルがあります。
それぞれのファンドの特徴は以下のとおりです。
- S&P500:
アメリカの代表的な500社の株価に連動 - MSCI ACWI IMI:
MSCI社が算出した全世界の株価指数 - EURO STOXX 50:
ユーロ圏先進国の50社の株価に連動 - MSCI EMERGING MARKETS IMI:
新興国24カ国の株価に連動 - MSCI World:
MSCI社が算出した先進国23カ国の株価指数
どれを選択すべきか各々の状況により異なりますが、やはり経済規模世界一のアメリカの株価指数であるS&P500と、全世界を対象としたファンドの2つは必須ではないでしょうか。
仮にリスクが取れる状況であれば、新興国(インドやブラジルなど)を対象としたファンドを選択してみてもいいでしょう。
それでは以下でプレミアトラストの口コミや評判を見ていきます。
プレミアトラストの口コミや評判は?
ここではTwitter上のプレミアトラストに関する口コミや評判を拾っていきます。
税金安い香港とかのオフショア積立保険かな🤔
会社やとロイヤルロンドンとか、プレミアトラストとか、メティスとかが日本で流行ってるみたいやけど— しまじゅん@lol 沖縄 (@sima_gumi) December 21, 2020
海外積立投資(プレミアトラスト)解約。
株やってるとメチャクチャ手数料高いことに気づいた。
昔は元本保証凄いって思ったけど、長期投資なら元本割れリスクそもそも超絶低いやん。
そんな低リスクの回避の為に年間数%も手数料払ってられない。— サラリーで株全力買い (@investor_kodak) April 15, 2021
PAグループ、海外積立プレミアトラストの対応がやばい。どうしたろうかこれ。損切りすら明確に計りかねる状況。
— みむら|お金の使いかた (@MimuraKeisuke) May 15, 2021
Twitter上では様々な意見が飛び交っていましたが、お世辞にも良い口コミや評判は多くありませんでした。
また株式投資などと比較すると手数料が高くなるため、自分で運用できてしまう人にとってはメリットを感じにくくなります。
全体的な印象としては、プレミアトラストを勧誘する紹介者の対応に不満を持つ方が目立ちます。
これはオフショア投資ではよくあることなのですが、紹介料欲しさに投資家側のニーズを無視した勧誘を行おうとする方が一部いらっしゃるためです。
プレミアトラストはじめ、オフショア投資そのものは悪いものではないため大変残念なことです。
実際に詐欺に遭ったという方は見受けられませんでしたが、紹介者の対応に疑問を持つ口コミが一部でありました。
この点について、オフショア投資で詐欺に遭わないための心得を以下のページでまとめていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
>>オフショア投資(海外投資)の詐欺手口とは? 3つの事例を基に詐欺に遭わない方法を解説
プレミアトラストと他社オフショア投資を比較
それでは最後に、プレミアトラストと他社オフショア投資を様々な項目で比較していきたいと思います。
ここではよく比較対象に出される、インベスターズトラストのS&P500インデックスと、RL360°のRSP(Regular Savings Plan)の2つと比べていきます。
まずはインベスターズトラスト(ITA)のS&P500インデックスとの比較から見ていきましょう。
プレミア トラスト |
ITA S&P500 インデックス |
|
---|---|---|
積立期間 | 15年 20年 25年 |
10年 15年 20年 |
元本確保 | 15年:140% 20年:150% 25年:160% |
10年:100% 15年:140% 20年:160% |
ロイヤリティ ボーナス |
10年経過: 拠出額の10% 15年経過: 拠出額の8% 20年経過: 拠出額の8% 25年経過: 拠出額の8% |
10年経過: 拠出額の7.5% 15年経過: 拠出額の7.5% 20年経過: 拠出額の5.0% |
最低積立金額 | 年間2,400ドル | 年間2,400ドル |
運用通貨 | 米ドル ユーロ 英ポンド 豪ドル |
米ドル |
手数料 | 3種類 | 3種類 |
プレミアトラストとインベスターズトラストのS&P500インデックスは、オフショア投資の中でもよく比較対象に出される商品です。
全体的な所感として、両者は条件面はほぼ同じですが、明確な違いとして先ほども触れた投資対象が挙げられます。
プレミアトラストは5つの投資対象からファンドを選択できますが、インベスターズトラストのS&P500インデックスは1つのみです。
このことから、分散投資を徹底したい方はプレミアトラスト、アメリカの株価指数S&P500に集中投資したい方はインベスターズトラストのS&P500インデックスを選ぶことになるでしょう。
また元本確保の部分でいうと、プレミアトラストよりもインベスターズトラストのS&P500インデックスの方が、早いタイミングで恩恵が受けられるといえます。
プレミアトラストは15年継続、インベスターズトラストのS&P500インデックスは10年継続で元本確保されます。
少しでも早いタイミングで元本確保を受けたいのであれば、インベスターズトラストのS&P500インデックスを選択する方がいいでしょう。
なおインベスターズトラストについては、以下のページで詳しく触れていますので、気になる方はチェックしてみてください。
>>インベスターズトラスト(ITA)を徹底解剖! 元本確保って本当なのか?
インベスターズトラスト(ITA、investors trust)は、日本人にも人気のあるオフショア投資の一つです。 低金利時代にも関わらず高い利回りで運用でき、中には元本確保型の商品も扱っています。 しかし公式サイトだけでは[…]
続いてRL360°(ロイヤルロンドン)のRSP(Regular Savings Plan)と比較してみます。
プレミア トラスト |
RL360° RSP |
|
---|---|---|
積立期間 | 15年 20年 25年 |
5~25年 |
元本確保 | 15年:140% 20年:150% 25年:160% |
なし |
ロイヤリティ ボーナス |
10年経過: 拠出額の10% 15年経過: 拠出額の8% 20年経過: 拠出額の8% 25年経過: 拠出額の8% |
10年経過: 拠出額の2.5% 20年経過: 拠出額の5.0% 25年経過: 拠出額の6.25% 30年経過: 拠出額の7.5% |
最低積立金額 | 年間2,400ドル | 年間3,360ドル |
運用通貨 | 米ドル ユーロ 英ポンド 豪ドル |
英ポンド ユーロ 米ドル スイスフラン 香港ドル 豪ドル 日本円 |
手数料 | 3種類 | 4種類 |
RL360°のRSP(Regular Savings Plan)と比較すると、いくつか違いが見えてきましたね。
大きな違いは元本確保があるかでしょうか。元本確保型の商品を望む場合は、プレミアトラストを選択することになります。
他にもオフショア投資の魅力であるロイヤリティボーナスにも違いがあります。
ロイヤリティボーナスを比較してみると、条件の良さはプラミアトラストに軍配が上がりますね。
ただしRL360°のRSPは、ロイヤリティボーナスの他に、プレミアムインセンティブボーナスとエクストラアロケーションボーナスの計3種類のボーナスが存在します。
これら3種類のボーナスが付与される条件を満たせば、RL360°の方が大きなリターンを期待することができるでしょう。
ただしRL360°のRSPは、最低積立金額が年間3,360ドル(1米ドル=100円で月24,000円)と敷居が高くなることや、手数料が4種類あることなどに注意が必要です。
特にRL360°は手数料が他のオフショア投資と高くなるため、なるべく長期かつ多めの積立金額で運用しなければ旨味を得ることが難しい商品となっています。
なおRL360°についても、以下のページで詳しく解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。
>>RL360°(ロイヤルロンドン)を徹底検証! 会社概要や商品について詳しく解説
まとめ
プレミアトラストは元本確保型の商品を備えるなど、日本人好みの商品といえます。
運用実績は選択するファンドにより異なりますが、どのファンドも世界的に見ても有名なファンドですので、パフォーマンス面では申し分ないでしょう。
ただし、他のオフショア投資同様に、プレミアトラストを勧誘する紹介者が投資家目線ではなく、自分の私利私欲に駆られてしまうのは残念なことですね。
プラミアトラスト自体は、優秀なオフショア投資ですので、いかに優秀な紹介者と出会えるかではないでしょうか?
なおプレミアトラストについてはもちろん、紹介者の選び方などをより詳しく知りたい方は、以下の問い合わせフォームにメッセージを送ってみてください。
こちらにメッセージを頂くと、私にメールが届きやり取り可能です。